冷害年(1980)におけるトウモロコシサイレージの飼料価値ならびに栄養収量

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トウモロコシサイレージの収量と飼料価値に関する年次別調査成績から1980年の冷害年と平年との間の比較を行なった。品種はワセホマレ(早生),ホクユウ(中生),P3715(晩生)を用い,早・中生品種は標準播区(5月12日)と晩播区(6月3日)を設け,それぞれのサイレージを調製してめん羊により飼料価値を査定した。その結果は以下のとおりである。(1)1980年の北海道東部は7月〜8月に異常低温が続き,平均気温が平年より3.6℃低かった。その結果,中・晩生品種ならびに晩播区の登熟が著しく遅延した。(2)サイレージの飼料成分は各品種とも粗蛋白質,ADF含量が平年より高めであったが,でんぷん含量は明らかに少なかった。(3)サイレージのTDN含量は各品種とも平年と差はなかったが,可消化でんぷん含量は・早中生品種が平年の60%,晩生品種が約30%と明らかに少なかった。DCP含量は平年よりやや高めの値を示した。(4)サイレージのTDN収量では早生品種の標準播種区が平年並であったが,中生品種は-8%,晩生品種は-15%の減収となった。更に晩播区は著しく減収した。以上の結果から,北海道東部においては冷害の影響を軽微にするため,早生品種を早期播種することが極めて重要であると考える。
日本草地学会の論文
1982-07-28

冷害年(1980)におけるトウモロコシサイレージの飼料価値ならびに栄養収量

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