サイレージ用トウモロコシ原料の部位別生産特性に関する研究 : III.部位別乾物重および乾物率におけるヘテローシスおよびSourceとSinkの相互関係について
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概要
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2つの複交雑F_1品種,「ワセホマレ」,「ヘイゲンワセ」およびその単交雑に示される部位別乾物重および乾物率のヘテローシスの効果を検討した。また,これらのヘテローシスの効果は構成単交雑によって差があり,このことからF_1品種に示されるSource-Sinkの相対的大きさと茎葉乾物率との関連づけも試みた。単交雑,N19×To15,W41A×W79AおよびN19×CM7では,雌穂重および茎葉重に示されるヘテロシースはともに認められたが,雌穂重でのヘテローシス効果が大きかった。また,全植物体の乾物率にはヘテローシスは僅少であったが,雌穂の乾物率では正の方向(増加),茎葉では負の方向(減少)のヘテローシスが認められた。これはF_1品種に示される効果がSinkに大きく働いたためと考えられるので,これら3単交雑の能力をさらに高めるには茎葉重および茎葉乾物率で示されるSource能力の向上が必要であると推察された。単交雑,CM37×CMV3においては雌穂重および茎葉重でのヘテローシスは共に同程度であるが,上述の3単交雑におけるヘテローシスに比し雌穂重では著しく小さい。また,茎葉重ではかなり大きく示され,茎葉はSinkとしても働いたとみられる。これらのことは,単交雑に示されたヘテローシスがSourceで大きく示されたことを意味し,従ってこの単交雑の能力をさらに高めるにはSinkの向上が必要であると推察された。さらに,複交配に示されるヘテローシスは遠縁同士の単交雑によっても小さかったことから,優良な複交雑F_1品種の育成には優良な構成単交雑の育成が不可欠であることを明らかにした。
- 日本草地学会の論文
- 1981-04-30
著者
-
櫛引 英男
北海道立十勝農業試験場
-
仲野 博之
北海道立十勝農業試験場
-
桑畠 昭吉
北海道立十勝農業試験場
-
仲野 博之
(前)十勝農業試験場
-
桑畠 昭吉
(前)十勝農業試験場
-
櫛引 英男
十勝農業試験場
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