えん麦の品種・刈取時期とホールクロップサイレージの飼料価値について

概要

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ホールクロップ飼料として,えん麦の飼料特性を明らかにする目的で試験を行なった。(1)乾物率は子実の登熟と共に7月下旬から急激な増加を示し,1日あたり0.7〜0.9%づつ増加した。粗蛋白含量は6月下旬の栄養生長期には20%以上であるが,8月中・下旬の糊熟〜完熟期にはおよそ1/3程度に低下した。糊熟〜完熟期におけるでんぷん含量は15〜20%であった。ADF含量は乳熟期頃まで増加するが,それ以降,除々に減少した。(2)セルラーゼによる茎のEDMDの経時変化は,7月下旬まで一直線に低下し,その後8月中旬まで横ばい状態を保ち,8月下旬には再度低下する型をたどって推移した(3)ホールクロップサイレージの栄養価は刈取時期の間に差がなかったが,茎葉サイレージは熟期が進むとともに直線的に低下した。(4)ホールクロップサイレージの栄養収量について品種間の比較を行なった結果,最大値を示した糊熟期のTDN収量はホナミが406kg,オホーツクが394kg,モイワが386kgであった。一方,可消化でんぷん収量はモイワが147kg,オホーツクが126kg,ホナミが97kgであった。以上の結果から,十勝地方におけるホールクロップ飼料としてのえん麦の品種はオホーツク,刈取時期は糊熟後期が適しているものと考える。
日本草地学会の論文
1978-01-31

えん麦の品種・刈取時期とホールクロップサイレージの飼料価値について

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