低水分サイレージの調製利用に関する研究 : 第2報低水分サイレージに対する高水分サイレージとフスマ添加サイレージの品質,乾物回収率並びに乳牛の飼養効果

概要

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15トン容の試験用塔型サイロ3基を用い,一貫機械化体系のもとで低水分サイレージ,高水分排汁処理サイレージおよび10%フスマ添加サイレージを調製した。これらサイレージについて品質,消化率および養分回収率を調査し,あわせて乳牛に対する泌乳効果と生理的影響について検討した。1.原料草はオーチャードグラス72%,ラジノクローバ23%で良質な1番草を使用した。2.高水分サイレージの原料は平均水分84.8%で1m^3当たり703kg埋草され,10%フスマ添加サイレージの原料は水分78.4%で1m^3当たり796kg埋草された。低水分サイレージの原料は水分60.2%で1m^3当たり388kg埋草された。3.サイロからの排汁量は高水分サイレージは埋草原料1トン当たり207kg,10%フスマ添加のものは10kgにとどまり,低水分サイレージからは排汁がみられなかった。排汁の成分は高水分サイレージのものは,平均比重1.0316,乾物6.47%,pH 4.23,全Nは0.26%であり,初期に流出した汁液の濃度は稀薄であった。4.高水分排汁サイレージはpH 4.1,乳酸1.118%で良好であり,またフスマ10%添加サイレージはpH 4.0,総酸2.339%,乳酸1.792と添加の効果が示された。低水分サイレージは黄褐色を呈し,パイプタパコ臭をともないpH 4.6,総酸1,923%,乳酸1.131%,酪酸0.570%を含み品質はやや不良であった。5.高水分サイレージとフスマ添加サイレージの各成分間の消化率には差がみられなかったのが,低水分サイレージは前2者に比較して乾物,粗蛋白質,NFEの消化率が低かった。6.乾物回収率は高水分サイレージ68.3%,フスマ添加サイレージでは89.7%であった。これに対し低水分サイレージは85.1%と示された。7.高水分サイレージの乳牛の乾物摂取量は11.65kg,フスマ添加サイレージ13.97kg,低水分サイレージは14.10kg,であったが,産乳効率は水分含量の高いサイレージが優れ,逆に低水分サイレージは増体の効果が示された。8.赤血球,Ht値,血中Hb量,血糖量においては,各サイレージ給与期に差がみられなかった。尿中ケトン体濃度は酪酸含量の高かった低水分サイレージ給与期にやや増加の傾向がみられた。しかし,その他の尿性状に異状はみられなかった。
日本草地学会の論文
1969-11-29

低水分サイレージの調製利用に関する研究 : 第2報低水分サイレージに対する高水分サイレージとフスマ添加サイレージの品質,乾物回収率並びに乳牛の飼養効果

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