焦性亜硫酸ソーダ添加による草サイレージの調製に関する研究 : 第2報草及びビートトツプに対する現地適応試験について

概要

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サイレージ添加剤としてSMSの特性及び効果については前報において明かにした。今回は北海道全域にわたり実際農家におけるSMSの使用法と実用性について草及びビートトップを用いて現地試験を行い,さらにSMSの添加法についても若干の基礎試験を行つた。これらの結果を要約すればつぎのごとくである。1)SMSの添加にあたつては,細切した原料に均一に屯当り5kgを添加するのが最も均一な良質サイレージを得るのに必要であつた。板状及び層状添加はサイレージ品質を不均一とすることが認められた。2)安全良質なSMS草サイレージを調製し利用するに必要な事項を明かにした。即ち原料草,刈取時期,原料水分,SMS添加量,添加方法,使用サイロ,埋草法,取出し時期,1日取出量,給与法及び嗜好性等である。一般に良質SMSサイレージは良く肥培管理された牧草を使用し,適期(慣行法より若干早目に)に刈取り,水分74〜80%で細切し均一にSMSを屯当り5kgの添加を行い,良く踏圧してサイロビニールを使用する。取出しは冷涼気候時に行うなどによつて得られた。一方不良なもの及び失敗は水分82%以上でpHも5.4以上であり,主に降雨中の埋草作業が雨水のサイロへの侵入などに起因し,さらに夏季高温時に取出がなされたものである。又これらSMSの品質別に埋草法,取出,pH,酸組成及び乳牛の嗜好性を明かにした。3)ビートトップに対してもSMSは明かに効果を有し,慣行サイレージは褐黄色を呈したが緑度高くSweetな甘酸臭を有し,嗜好が優れていた。詰込みにあたつては原料は収穫後の新鮮なものを用い,水分調節用に乾燥デントコーン,ビートパルプなどを使用し,充分細切したものにSMSを均等に屯当り5kg添加することによつて得られた。又慣行サイレージとSMSサイレージの特性を明かにした。4)サイレージ添加剤としてSMSについて1956年より基礎試験,応用試験及び現地試験を行つたが,SMSの効果が高く,かつ充分農家においても実用とし成果を期待しうることが認められた。
1960-09-30

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