SD法による日本,韓国,中国,西洋各料理に対する概念の日本人と韓国人の比較

概要

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20〜22歳の日本人女子学生,韓国人女子学生を対象に,SD法と因子分析法によって,日本,韓国,中国,西洋の各日常料理の概念を描出し,それらの概念をもとに,若年者の食事における自国,他国の料理に対する概念を把握することを試み,以下の知見を得た。1.日本人,韓国人ともに自国の料理に対する意識,中国料理や西洋料理にたいする意識の傾向は概ね一致していた。2.自国料理にたいする概念は,伝統的で素朴,安価であり,親しみがあっておいしいそうであるというものであった。3.西洋料理に対しては,しゃれた外食料理で高価であるが,親しみがなくまずそうであるというものであった。また韓国人は日本人にくらべて,その意識がより強かった。4.中国料理に対しては,日本人は韓国料理と,韓国人は日本料理とそれぞれに近似したものと意識されていた。5.日本人は特定の料理について韓国料理を自国料理に近い感覚で捉えており,キムチや焼肉は日本料理に取り込んでほぼ同化し,冷麺やビビンバに対しても親近感が強かった。韓国人は,寿司,鉄板焼き,うどんに対しては幾分の親しみを感じているが,他の料理に対しては親しみがなくまずそうと意識していた。
女子栄養大学の論文