ジアシルグリセロールを主成分とする油の調理特性 : 揚物について
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概要
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酸化および白濁防止剤が添加されていない, 市販油とは異なるジアシルグリセロールを主成分 (86.9%) とする油 (DAG) の調理性につして, DAGと同等な脂肪酸およびビタミンE組成を持つ, トリアシルグリセロールを主成分 (98.3%) とする油 (TAG) を対照に, 油の使用量が多い揚物 (素揚げ, から揚げ, パン粉揚げ, てんぷら) を調製し, 使用油量, 調理後の経過時間などを変え, 嗜好面, 物理化学面から検討した。その結果, 以下のような知見を得た。1.使用油量を変えて揚げた揚物の官能評価結果は, 普通油量, 少量油量ともに調理直後ではいずれの揚物の総合評価もほぼ同じであると評価され, DAG, TAG間にはほとんど差がみられなかった。2.調理後の時間経過については, ポテトチップでは, DAGは調理直後から調理後30分間に官能評価の総合項目が有意に低下したのにたいして, TAGは30分から60分経過間での低下が大きく, DAGはTAGに比べて評価の低下が早かった。3.吸湿速度についてはDAG, TAGで揚げたじゃがいも薄切り素揚げを調理直後から60分間, 湿度90〜95%のデシケーター内に放置し, その重量を測定した。DAG試料はTAG試料に比べて水分皿が時間経過によって1.5〜2.5%多く, 調理直後から勧可理後30分間の重量増加も顕著に多かった。4.DAG, TAG両油を湿度90〜95%のデシケーター中に20時間放置した結果, DAGの吸湿率はTAGに比べて有意に高かった。5.揚物4種の官能評価結果からは, DAGの添加物の有無による調理上への影響は見られなかった。実験に使用した油は (株) 花王から提供していただきました。ここに深くお礼申し上げます
- 2003-12-01
著者
-
松本 仲子
桐生大学
-
小川 久惠
調理学第2研究室, 女子栄養大学短期大学部
-
松本 仲子
食受容学研究室, 女子栄養大学
-
菅原 龍幸
聖徳大学
-
小川 久惠
女子栄養大学短期大学部
-
松本 仲子
食受容学研究室 女子栄養大学
-
小川 久恵
女子栄養大学短期大学部
-
松本 仲子
女子栄養大学
-
小川 久恵
調理学第2研究室 女子栄養大学
-
小川 久恵
女子栄養短大
-
菅原 龍幸
聖徳大
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