小型膵蛭寄生牛の臨床検査所見について
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概要
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鹿児島県北部の高地にある2つの牧場に小型膵蛭症が集団発生した.小型膵蛭症に関する臨床的報告は極めて少ない.著者等は8例の感染牛に対し臨床病理学的観察を行い以下の結果を得た.1.特徴的な臨床症状は痩削と泡沫状流涎であり特に, 泡沫状流涎は発症初期より末期まで一貫して認められた.2.糞便検査による虫卵の検出率は高くなかった.フィルムテストでは8例中7例に異常所見が認められ, 本症のスクリーニングテストとして活用されることが示唆された.3.血液検査所見ではGOT, GPT, ALP, アミラーゼ, ビリルビン, 血清蛋白, セクレチンには特異な所見は得られなかった.4.糖負荷試験およびそれに伴う血中IRI反応では発症初期より異常が認められた.5.Nitroxynilは小型膵蛭に対し有効な駆虫効果を示した.以上の結果より小型膵蛭症の診断に際し, フィルムテストおよび糖負荷試験は重要な意義をもつと考えられる.又駆虫後の膵機能の回復を推測する手段としても有用であると考えられる.
- 鹿児島大学の論文
- 1980-03-19
著者
-
安田 宣紘
家畜病理学研究室
-
坂本 紘
鹿児島大学農学部獣医学科
-
河野 猪三郎
家畜病理学研究室
-
坂本 司
岩手大学農学部
-
坂本 司
家畜病理学研究室
-
坂本 紘
農学部家畜病院
-
田代 哲之
家畜外科学研究室
-
渡辺 茂
家畜外科学研究室
-
渡辺 茂
Laboratory Of Veterinary Surgery
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