MC29ウイルス誘発腫瘍移植雛における温熱療法・化学療法の試み
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概要
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MC29ウィルスにより誘発された可移植性肝原発腫瘍で, 特異的なglutamine利用によってその腫瘍細胞が増殖する特性が明かになったものを, 初生雛の皮下に移植して9〜11日後に45℃の加温飼育による全身温熱療法をglutamine代謝阻害剤による化学療法および両者の併用効果について病理学的に調べた.化学療法には6-diazo-5-oxonorleucine(DON), aminooxiacetate(AOA), Acivicin^<[○!R]>の三種を用い, 投与対照, 加温対照, 無処置対照を置いて, 9〜13日間観察した.加温により腫瘍は平均63%抑制され, 増体重は平均35.5%抑制された.宿主はリンパ諸臓器の萎縮, 造血能低下, 血清GOT, LDHの上昇等が顕著であった.電子顕微鏡的に腫瘍細胞は内皮細胞腫と判定されたが, 加温による微細形態の変化は乏しかった.DONは加温よりも腫瘍増殖と増体重を抑制し, 加温併用により相乗効果を認め, 6羽中1羽は腫瘍が消失した.AOAによる増体重抑制は加温と同等であったが, 腫瘍増殖抑制が顕著で, 加温併用効果もみられ, 7羽中2羽の腫瘍消失を認めた.Acivicinは腫瘍増殖および増体重を加温より強く抑制し, 加温併用効果によりほとんど横這い状態を呈した.AOAやAcivicin投与による肝変性壊死巣は加温併用時に著しく軽減されたが, 化学療法剤投与全例にGOT, LDHの上昇を認めた.加温法の改善, glutamine代謝阻害法の検討などが今後の問題点となろう.
- 鹿児島大学の論文
- 1988-03-15
著者
-
安田 宣紘
鹿児島大 農
-
安田 宣紘
鹿児島大学病態予防獣医学講座病理学分野
-
安田 宣紘
家畜病理学研究室
-
安田 宣紘
鹿児島大学 家畜病理
-
河野 猪三郎
家畜病理学研究室
-
清水 孜
家畜病理学研究室
-
石津 彰博
家畜病理学研究室
-
松野 哲也
国立予防衛生研究所麻疹ウィルス部
-
松野 哲也
国立予防衛生研究所麻疹ウイルス部
-
清水 孜
鹿児島大学農学部
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