カラス属の寄生虫に関する研究 : I.鹿児島地方におけるハシブトガラスの寄生虫相について
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概要
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鹿児島産のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)17羽の寄生虫について検査したところ, 7羽の血中にmicrofilariaが認められ, これらの脳の血管や実質組織や肺実質内に多数のmicrofilariaが見られ, また肝, 腎, 骨格筋, 心筋など全身にわたってmicrofilariaが発見された.しかし組織所見ではこれらのmicrofilariaに対する細胞反応はほとんど見られなかった.microfilariaの成虫を得るため詳細に検査したにもかかわらず糸状虫成虫の発見はできなかった.8羽の血液中にTrypanosomaとLeucocytozoonが見られた.7羽の小腸にNeodiplostomum, 9羽の小腸にRaillietina(Paroniella), 6羽の小腸にCapillariaの寄生を認めた.また4羽の胆管中にはBrachydistomumが寄生し, 組織所見において胆管壁の著明な拡張と肥厚, 胆管周囲結合織における虫卵結節形成および慢性間質性肝炎像が見られた. Strigea sphaerula(Rud., 1803)Szidat, 1928とEchinostoma corvi Yamaguti, 1935がそれぞれ1羽の小腸より1個体ずつ発見された.
- 鹿児島大学の論文
- 1981-03-19
著者
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安田 宣紘
鹿児島大 農
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安田 宣紘
家畜病理学研究室
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河野 猪三郎
家畜病理学研究室
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坂本 司
岩手大学農学部
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坂本 司
家畜病理学研究室
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酒匂 猛
鹿児島市平川動物公園
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川畑 純徳
鹿児島市平川動物公園
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