実験的小形膵蛭感染山羊に対するpraziquantelおよびtriclabendazoleの駆虫効果とその病理学的研究
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概要
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6頭の山羊を使用し, ホシササキリより得られた小形膵蛭のmetacercariaを投与し, prepatent periodを確認後, praziquantel, triclabendazoleの2種類の薬品の駆虫試験を行った.結果は次の通りであった.1.小形膵蛭metacercaria投与後のprepatent periodは100日前後であった.2.Praziquantel投与群は投与後, EPGの急激な上昇と虫卵の変性卵が増加し, 虫卵排泄は1週間後陰性となり, 約1カ月後の剖検で, 膵管内にほとんど虫体はみられず, 存在した虫体は融解しており, 駆虫効果が認められた.3.Triclabendazole投与群は投与後EPGの変化はわずかで, 約1カ月後の剖検で, 膵管内に多数の生存虫体が認められ, 駆虫効果は認められなかった.4.小形膵蛭感染山羊の膵臓病変は膵管上皮の乳頭状, 腺腫様増殖顕著で, 粘膜の肥厚も顕著で, 膵管周囲の結合織の増殖は軽度である.これに対し, 駆虫効果のみられた膵管の粘膜の肥厚は軽度となり, 膵管周囲の総合織の増殖は顕著であった.膵管上皮にglobule leucocyteが多数出現し, 組織化学的特性は粘膜固有層のmast cellに類似性がみられた.
- 鹿児島大学の論文
- 1986-03-15
著者
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安田 宣紘
鹿児島大 農
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安田 宣紘
鹿児島大学病態予防獣医学講座病理学分野
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安田 宣紘
家畜病理学研究室
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安田 宣紘
鹿児島大学 家畜病理
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河野 猪三郎
家畜病理学研究室
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清水 孜
家畜病理学研究室
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石田 聡
家畜病理学研究室
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李 建中
家畜病理学研究室
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坂本 司
岩手大学農学部
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