カーバメイト系化合物の毒性に関する研究 : II.m-[〔(Dimethylamino)methylene〕amino]phenylmethylcarbamateの亜慢性毒性

概要

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m-[〔(dimethylamino)methylene〕amino]phenylmethylcarbamateの20,10,5mg/kgを, ラットに3カ月間連日投与して, その毒性を対照と比較検討した.1.10mg/kg以上投与の群では, 投与後10分前後から全身の振せん, 自発運動の抑制などがみられ, 20〜40分位継続の後回復した.2.各群20匹(♂10,♀10)のうちI群では♂5,♀2,II群♂3,♀2,III群♂3,♀1,対照♂1,♀0匹が途中死亡した.3.投与後の成長抑制は認められなかった.4.赤・白血球数, 血色素量, ヘマトクリット値, 白血球細胞型別百分率にも, とくに変化は認められなかった.5.血漿GOT, GPT, 尿素-N, タンパクは対照に比べて変化はなかったが, 血漿および脳のChE活性は対照より, やや低い傾向を示した.6.殺後の臓器重量では, 対照に比べて増加(♂の甲状腺, 副腎, 精巣), あるいは減少(♂の肝, 脾, ♀の肺, 卵巣)するものが認められた.7.比較的多くみられた病変は, 肝変性, 肝炎, 腎炎, 腎変性, 気管支周囲炎であるが, このうち中毒病変と考えられるのは肝, 腎の変性である.その他薬物と関係するかもしれない病変として精巣の間質水種, 甲状腺のコロイド消失, 心筋のエ死などが認められた.
鹿児島大学の論文
1972-03-30