ラット肝tryptophan oxygenaseに及ぼす諸種tranquilizerの影響
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概要
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数種のtranquilizerがラット肝TOに及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た.1.ラットにmajor tranquilizerのCPZ, RP, HPD, minor tranquilizerに属するMPM, DP, HXZを投与することにより, すべてTO活性が増加し, major tranquilizerによる誘導はminor tranquilizerによる誘導よりも明らかに大であった.2.major tranquilizerの中, CPZとHPDによるTO活性増減の傾向は大体同じであるが, RPによるそれは相当異なり, TO誘導の持続が極めて著しかった.3.使用したすべてのtranquilizerにより, アポ酵素のホロ酵素化が強められた.4.副腎摘出ラットのTO活性は正常ラットより20%減少した.副腎摘出ラットにCPZを投与すると, 正常ラットの場合と比べてTO活性は著しくおさえられたが, なおわずかな増加が認められた.ホロ酵素活性とアポ酵素活性の比率も変化した.副腎摘出ラットにRP投与の場合は, 8,4,2mg/kgのいずれの投与でも2時間以内に死亡するため, TO活性の変動は観察できなかった.5.副腎皮質ホルモン分泌を抑制するMRPの投与によって, TO活性は24時間後に最も低下し, 40時間後に正常値に回復した.MRP投与ラットにCPZ, RP投与により, 正常動物にみられるようなTO活性の増加は認められなかった.6.CPZ, RP投与によって血漿CSは2時間後に最大となり, CPZの場合は14時間後にほぼ正常値にもどったが, RP投与ではさらに増加して, 16時間後に最高となり, 以後減少して36時間後にほぼ正常値にもどった.7.CPZ, RP投与により副腎AAは2時間後に最低となり, 以後次第に回復に向かうが, CPZでは14時間後に投与前の29.1%減少まで回復し, RPでは36時間後でもなお46.4%の減少であった.以上の結果からtranquilizerによる肝TOの誘導は, その作用の強さと関連すること, その誘導は主に下垂体一副腎系を介するものであるが, 一部未知の機構によるものであることが示唆される.
- 鹿児島大学の論文
- 1979-03-19
著者
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