ニワトリにおけるDiisopropyl fluorophosphateの吸収と体内分布

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有機リン剤殺虫剤の畜産物への移行に関する総合研究の一環として, DFP-^<32>Pを産卵中のニワトリへ経口投与し, その吸収と体内分布を, H_3PO_4と比較検討して次の結果を得た.1.経口投与されたH_3PO_4-^<32>Pの血中の^<32>P濃度のピークは投与9〜12時間後であったが, DFP-^<32>Pは投与30分後にはかなりの高濃度が観察され, そのピークは投与1時間後であった.以後時間経過と共に漸減し, H_3PO_4とは全く異なった推移を示した.2.静脈内投与後の全血ならびに血漿中のDFP, H_3PO_4の減少は, 投与60分後まではほぼ同じで, 30分値の約60%に減少した.それ以後のDFPの減少率はH_3PO_4の減少率に比べて大きく, 6時間後の全血および血漿中のDFPは, それぞれ30分値の23%, 17%に, H_3PO_4は33%, 25%に減少した.3.静脈内投与後30分から6時間にわたる血球中の^<32>P濃度は, H_3PO_4に比べてDFPの方が高かったが, 経口投与後のそれは一定の傾向がつかめなかった.4.in vitroにおける小腸片へのDFPならびにH_3PO_4の蓄積率は, 幽門部, 卵黄盲憩室部の両者ともDFPの方が高く, また両部位では卵黄盲憩室部が高くなっていた.5.経口投与後3時間, 24時間で, DFPの多い組織は[サ]嚢, 肝, 腎, 十二指腸等であり, 少ない組織は筋肉, 脳であった.H_3PO_4の場合, [サ]嚢, 肝, 腎, 十二指腸の他, 骨髄, 骨にも多く, 筋肉, 脳, 肺では少なかった.経口投与後1週目の組織ではDFP, H_3PO_4とも肝, 腎より骨髄, 骨に多く, 脳は最小で, ほぼ類似した傾向を示した.
鹿児島大学の論文
1975-03-20

ニワトリにおけるDiisopropyl fluorophosphateの吸収と体内分布

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