マグネシウム欠乏ラットの脾細胞のヒスタミン貯蔵におよぼすヒスタミン遊離剤の影響

概要

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マグネシウム欠乏ラットから分離した脾細胞のヒスタミン貯蔵様式を, 腹腔mast cellのそれと比較検討した.マグネシウム欠乏ラットから分離した脾細胞のヒスタミン含量は, 欠乏8日目には対照ラットのそれよりも約10倍多くなっていたが, 腹腔mast cellのヒスタミン含量は約2倍の増加にすぎなかった.マグネシウム欠乏8日目に, 脾細胞および腹腔mast cellのヒスタミン含量に対する数種のヒスタミン遊離剤の効果をin vitroで検討した.Compound 48/80(0.5μg/ml), polymyxin B(5μg/ml)およびionophore A23187(1μg/ml)は, 腹腔mast cellからヒスタミンを遊離させたが, その遊離の程度は, マグネシウム欠乏ラットでは対照ラットに比べ弱かった.これらヒスタミン遊離剤は, 対照ラットおよびマグネシウム欠乏ラットから分離した脾細胞からヒスタミンをほとんど遊離させなかった.同様の成績は, ラットbasophilic leukemia cellでもみられた.ヒスタミン遊離剤を用いたこれらの成績より, 脾細胞のヒスタミン貯蔵様式は明らかに腹腔mast cellとは異なることが示唆された.
鹿児島大学の論文
1985-03-15