ニワトリ肝tryptophan pyrrolaseの発育に伴う消長

概要

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ニワトリ胚から性成熟期の140日齢にいたる種々の期間の肝TP活性を調べ, 次の結果が得られた.1.ニワトり胚肝のTP活性は, 孵卵開始5日目ごろから認められはじめ, 7日目以降の胚では確実に存在した.2.孵卵開始10日以降の胚, ヒナ, 成鶏(120〜140日齢)肝単位重量当たりのTP活性は, ほぼ一定であったが, 若齢ヒナの段階でやや高く, その後次第に減少する傾向が認められた.3.肝TPの総括性は発育につれて増加した.4.体重100g当たりのTP活性は, 孵卵後上昇しはじめ, 若齢ヒナの段階でピークに達するが, その後ヒナの発育に伴って減少し, 成鶏では胚のレベルと同等になった.5.ニワトリ肝のTP活性は, 雌雄の差がみられ, 雄の方が雌よりやや高い活性レベルを示した.6.胚, ヒナ, 成鶏のすべての時期において, 肝のTP活性はL-Tryによって誘導され, HCによってもほとんどの時期において誘導されるが, Tryに比べて誘導の程度は小さかった.以上ニワトリ胚の肝には, 哺乳動物と異なりTP活性が認められること, ニワトリ肝のTP活性は雌雄の差があること, また発育に伴う活性の変化はラットと異なること, さらに基質型, ホルモン型の誘導が可能であることが示唆される.
1978-03-19