ラット肝tryptophan oxygenaseに及ぼすlithium chlorideの影響
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概要
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LiClのラット肝TOに及ぼす影響を観察し, 次のような結果が得られた.1.in vitroでLiClはL-Try1.0g/kgで誘導された肝TO活性を抑制した.LiCl1.0mMの濃度は肝TO活性を約56%抑制した.2.LiCl5.0mEq/kgの腹腔内投与により, 肝TO活性は二相性の変化を示した.投与1,2時間後の活性は低く, その後増加して投与7時間後に最高活性を示した.投与直後の活性の低下はLiClの直接作用と思われる.3.LiCl投与によりアポ酵素のホロ酵素化が強められた.4.副腎摘出ラットの肝TO活性は正常ラットの活性に比べて低く, LiCl投与後の肝TO活性の増加も著しく抑制された.それでもホロ酵素活性で, 投与5,7時間後に約30%の増加が認められた.5.LiCl投与により血漿CS濃度は急激に増加し, 投与2時間後に最高濃度を示し, 以後急速に正常値にもどった.6.LiCl投与後の副腎AAは投与2時間後に最低濃度を示し, 以後次第に回復に向うがその回復はおそく, 投与14時間後でも25%の減少を示していた.以上の結果からLiClは, 直接作用により肝TO活性を抑制し, LiCl投与後の肝TOの誘導は, その大部分は下垂体-副腎系を介し, 一部未知の機構によることが示唆される.
- 鹿児島大学の論文
- 1980-03-19
著者
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