カーバメイト系化合物の毒性に関する研究 : I.3-Methyl-5-isopropylphenyl-N-methylcarbamateの亜慢性毒性
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概要
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3-methyl-5-isopropylphenyl-N-methylcarbamateを, ラットにおいては50,33,22mg/kgを, マウスでは20,13.7,8.9mg/kgを, 3カ月間連日経口投与し, その毒性を対照と比較検討した.1.本薬物の経口急性毒性LD_<50>はラットで60(42.3〜85.1)mg/kg, マウスで39.5(33.1〜47.2)mg/kgであった.2.動物の途中死亡数は, 各群20匹(♂, ♀各10)のうち, ラットではI群♂5,♀8,II群♂2,♀5,III群♂1,♀0,対照♂1,♀0,マウスではI群♂8,♀10,II群♂3,♀8,III群♂2,♀3,対照♂2,♀1匹であった.3.体重増加率からみた成長抑制が, ラットではやや認められるが, とくに一定した抑制傾向ではない.マウスでは認められなかった.4.血液学的検査では, とくに薬物の影響と思われる変化は認められなかった.5.血漿GOT, GPT, 尿素-N, タンパクはとくに変化を認めなかったが, ラットでは投与群の血糖値が対照に比べて著しく高かった.6.投与群における血漿および脳のChE活性の低下はみられなかった.7.臓器重量もほとんど変化がなかったが, 脾, 卵巣では投与群の方が相当低かった.8.主な病変は肝炎, 肝変性, 肝ウッ血, 気管支周囲炎, 肺充血, 肺炎, 腎, 副腎の充血, 腎の硝子滴変性, 大脳出血, 卵の発育不良, 心筋のエ死などであるが, このうち中毒病変と考えられるのは, 肝, 腎の変性, 大脳出血であり, 断定はできないが, その疑いのあるものは肝ウッ血, 卵の発育不良, 心筋のエ死である.
- 鹿児島大学の論文
- 1972-03-30
著者
-
河野 猪三郎
家畜病理学研究室
-
河野 猪三郎
Laboratory Of Verteinary Pathology
-
宮尾 陟
Laboratory of Veterinary Pharmacology
-
石黒 茂
Laboratory of Veterinary Pharmacology
-
安田 宜紘
Laboratory of Veterinary Pathology
-
宮尾 陟
前鹿児島大学
-
石黒 茂
鹿児島大 農
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