犬腫瘍に関する病理学的研究 : II.Sertoli cell tumorとHodgkin's disease
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概要
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犬腫瘍としては珍らしいSertoli cell tumorとわが国の犬にはじめてHodgkin's diseaseを病理学的に検査し, 次の結論を得た.第1例 Sertoli cell tumor犬, 15才, 雄, 雑種, 鹿児島市産精巣に腫瘍が発生し, 腫瘍組織は明瞭な蜂巣状構造を呈し, 腫瘍細胞は無顆粒性, 線維状, 高円柱状で, 核は円形ないし紡錘形でSertoli cellに由来するSertoli cell tumorと診断した.肺, 内腸骨リンパ節, 骨盤腔内に本腫瘍の転移がみられた.第2例 Hodgkin's disease犬, 7才, 雌, セッター種, 神奈川県産犬の皮下の諸リンパ節, 体腔内諸リンパ節が著しく腫大し, 盲腸基部, 直腸にそれぞれ小児拳大, 鳩卵大の灰白色柔軟な腫瘍が認められた.諸リンパ節はいずれも正常の構造が破壊され, リンパ芽球様細胞が著明に増殖し, 中に大型で原形質明らかな淡明核よりなれる細胞と, これより大きないわゆるReed-Sternberg型の巨細胞が散在している.盲腸, 直腸壁の腫瘍の組織像も同じで, 犬Hodgkin's diseaseと称されよう.
- 鹿児島大学の論文
- 1971-09-25
著者
-
河野 猪三郎
Laboratory Of Verteinary Pathology
-
安田 宣紘
Laboratory of Veterinary Pathology
-
福吉 成典
(現)厚生省博多検疫所
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