モルモットにおけるcycasinの影響に関する実験的研究

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モルモットにcycasinを2日間間隔で反復的に経口投与し, 臨床的観察, 血液学的, 血液生化学的検査および病理学的検査を行った.モルモット25頭, 9群に分け, 投与量1回当り1〜15mg/kg, 投与期間1〜6カ月, 投与総量29〜238mgとした.結果は次のとおりであった.1.臨床的に投与量の多い群で投与期間に応じて体重の減少がみられた.15mg/kg投与群で衰弱, 死亡するモルモットもみられたが, 神経症状は認められなかった.2.血液学的検査では1回の投与量の多い群で投与期間に応じて赤血球数の増加, Ht値の上昇, T.P.の減少の傾向がみられた.血液生化学的には血清タンパク分画で, γ-グロブリンの上昇がみられ, 肝機能障害を疑わせる酵素活性の上昇があり, 投与期間に応じてglucoseの低下, ChEの上昇の傾向がみられた.3.病理学的検査では肝臓重量および体重との割合が投与量に応じて減少する傾向がみられた.病変は肝臓, 腎臓, 膵臓, 脾臓に認められたが, とくに肝臓に顕著で, 投与量, 投与期間に応じて, 小葉中心性の肝細胞の乱れ, 肝細胞の変性, 壊死, megalocytosisすなわち肝細胞の腫大および核の腫大が認められた.投与期間が長期化し, 投与総量が増大するにつれて, これらの病変がより広範囲, より重度になり, さらに胆管の増生, クッパー細胞のヘモジデリン貪食もみられた.腎臓では近位尿細管の腫大が, 膵臓では脂肪化が, 脾臓では脾洞の拡張がそれぞれ少数例みられたが, 肝臓病変に比較して軽度であった.大脳, 小脳, 脊髄には病変の発現は認められなかった.
鹿児島大学の論文
1985-03-15

モルモットにおけるcycasinの影響に関する実験的研究

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