MC29ウイルス誘発腫瘍移植雛における局所温熱療法について
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概要
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1.MC29ウイルスによって誘発された可移植性肝原発腫瘍で, 特異的なglutamine利用によってその腫瘍細胞が増殖する特性が明らかになったものを, 初生雛の皮下に移植して7〜8日後に大豆大に達したものに対して, マイクロ波を使用した局所温熱療法および6-diazo-5-oxo-1-norleucine(DON)によるを7日間行った.2.処置開始7日後における腫瘍増殖率は, 担癌対照群が14.3±1.81であったのに対して, 加温群は3.24±2.25,DON群は6.93±0.95に抑制された.さらに, 加温・DON併用群では0.61±0.57と著明な抑制が見られた.3.体重増加率は, 担癌対照群では4日後に急激な低下が見られたが, 局所加温群では無処置対照群に近い比較的高い増加率を示した.DON群では増体重の抑制が顕著であった.4.この移植腫瘍系を用いて我々が先に行った全身温熱療法と比較して, マイクロ波による局所温熱療法はより制癌効果が大きく, 宿主への影響は少ないことが明らかになった.組織学的には, 3分間加温の直後には表皮直下の腫瘍細胞にわずかだが明らかな退行性変化が認められた.1日後には, 腫瘤の底部や辺縁部を除いて, 大部分の腫瘍細胞は壊死していた.腫瘤が退縮するとともにリンパ様細胞の集簇に囲まれた線維化が見られた.
- 鹿児島大学の論文
- 1992-03-30
著者
-
安田 宣紘
鹿児島大 農
-
安田 宣紘
鹿児島大学病態予防獣医学講座病理学分野
-
安田 宣紘
家畜病理学研究室
-
安田 宣紘
鹿児島大学 家畜病理
-
清水 孜
家畜病理学研究室
-
石津 彰博
家畜病理学研究室
-
清水 孜
鹿児島大学農学部
-
牧内 浩幸
鹿児島県姶良家畜保健衛生所
-
中川 万利子
鹿児島県姶良家畜保健衛生所
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