家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : VIII 家畜の血清Cholinesterase活性値と肝機能との関係
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概要
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健康なウマ, ウシ, ブタのS-ChEとS-Albとの関連性を検討し, 併せてCCl_4投与による実験的肝障害犬, 並びに肝障害を主徴とするイヌの臨床症例について, S-ChE総活性値とisoenzyme分画活性値の変化を検討した結果, 次の知見が得られた.1.S-ChE総活性値とS-Alb量との相関関係は, ウマ, ウシ, ブタでは認められなかった.2.CCl_4の筋肉内注射により, 実験的に肝障害を起こさせたイヌにおいて, 1ml/kg投与群では, S-ChE総活性値に病的な変化はなく, 2ml/kg投与群では, 48時間後に, 投与前の約2倍の活性値の増加が認められた.isoenzyme分画活性値は, 各分画で増加したが, C_2及びC_4分画に著明な増加が認められた.3.臨床症例においては, 全17例のうち, S-ChE総活性値の上昇するもの9例(53%), 低下しているもの4例(23%), および不変4例(23%)となり, 病類別では, 肝炎5例(4例上昇, 1例低下), 肝硬変4例(3例低下, 1例上昇), 肝癌1例(上昇), およびレプトスピラ症7例(3例上昇, 3例不変, 1例著明に低下)である.4.臨床症例におけるisoenzyme分画活性値は, 総活性値の上昇するものでは, C_2およびC_4分画の著明な増加が認められ, 総活性値の低下するものでは, C_<6,7>分画の著明な減少が認められた.なおS-ChE総活性値の上昇, 低下と無関係に, C_2分画活性値は常に増加を示した.
- 鹿児島大学の論文
- 1981-03-19
著者
-
森園 充
鹿児島大
-
坂本 紘
農学部家畜病院
-
田代 哲之
家畜外科学研究室
-
渡辺 茂
家畜外科学研究室
-
阿久沢 正夫
家畜内科学研究室
-
阿久沢 正夫
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
-
渡辺 茂
Laboratory Of Veterinary Surgery
-
森園 充
家畜内科学研究室
-
岩月 妙子
家畜内科学研究室
-
秋永 祐治
家畜内科学研究室
-
山内 達雄
家畜内科学研究室
-
森園 充
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
-
森園 充
Laboratory Of Veterinary Medicine
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