家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : V.著者らの測定法による家畜の血清Cholinesterase(S-ChE)正常活性値の検討と子ウシのS-ChE活性値の性差出現時期について

概要

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著者らの測定法により, ウマ, ウシ, ブタのS-ChE正常活性値を検討した結果, 次のような知見が得られた.1.正常活性値は, ウマ♂6.00±0.94IU, ♀6.11±1.14IU, total6.08±1.96IU, ウシ♂0.162±0.0040IU, ♀0.138±0.034IU, total0.153±0.039IU, ブタ♂0.498±0.140IU, ♀0.481±0.165IU, total0.486±0.157IUであった.2.正常活性値における性差を検討した結果, ウシで♂が♀よりも明らかに高く, ウマ, ブタでは性差はみられなかった.3.正常活性値における年齢差を検討した結果, ウマで若齢のものが, 壮齢のものに比べて高く, 明らかに年齢差がみられた.4.♂では生時ほぼadultと同値を示すが, 以後上昇して4カ月齢でadultの2倍値で最高を示し, 以後漸減して11カ月齢でadult値になるのに対し, ♀では生時が最も高く, adultの約1.8倍で, 以後漸減し3カ月齢でadult値になった.5.性差は生後1カ月齢では, ♀>♂の関係にあるが, 3カ月以降, この関係は逆転し, ♀<♂となった.6.♀♂ともにS-ChE isoenzyme分画は, C_1,C_2C_3の3種が認められ, 各分画活性値の大きさは, C_2>C_1>C_3の順位を示し, これは当初より不変であった.
鹿児島大学の論文
1980-03-19