レプトスピラの凍結保存に関する研究
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概要
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レプトスピラの凍結保存法を精子の方法を参考にして検討した.凍結時の凍害防止剤として, グリセリン(Gly)とジメチルスルフォキシド(DMSO)を用いた.菌培養液と凍害防止剤を混合する平衡処置では防止剤の濃度を低くし, 平衡時間は短時間のほうが菌の傷害が少なかった.7種の血清型を用いて菌を25℃で培養したとき, 平均生存期間はL.icterohaemorrhagiaeとL.autumnalisが同程度であるが後者が最も短かく(3.7ヵ月), L.hebdomadis, L.australis, L.pomonaがほぼ中等度で, L.canicola, L.hardjoは長かったがその内でも後者が最も長かった(5.5ヵ月).平均生存期間の最も短かったL.autumnalisの培養液に凍害防止剤を終濃度が5%になるように添加し, 25℃で15分間の平衡処理後に-20℃で24時間保存した.保存した菌培養液を解凍後培地に接種して培養すると, 増殖のみられる培地の割合は, 対数期と静止期の菌では差がなかったが, 無希釈と10倍希釈した菌培養液では, 無希釈の菌培養液がやや勝っていた.凍害防止剤なしで菌を-20℃で凍結すると, 1ヵ月保存では解凍後の培養で菌増殖は認められなかった.DMSO添加では凍結保存1ヵ月後でも融解後接種した培養液のうち菌が増殖したのは20%であったが, Glyでは3ヵ月後でも80%と高率であり, 6ヵ月後に20%に低下した.また, 1,3,6ヵ月凍結保存後の培養で得られたL.autumnalisを用いて, 抗体の存在が確認されている血清の抗体価を測定したが, 25℃で保存した菌による抗体価と差は認められなかった.
- 鹿児島大学の論文
- 1993-03-31
著者
-
森園 充
鹿児島大
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阿久沢 正夫
家畜内科学研究室
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阿久沢 正夫
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
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森園 充
家畜内科学研究室
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白沢 伸彦
家畜内科学研究室
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山内 聡子
家畜内科学研究室
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森園 充
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
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森園 充
Laboratory Of Veterinary Medicine
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