家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : IV.家畜の血清Cholinesterase isoenzymeの検出法

概要

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disc電気泳動法による家畜のS-ChE isoenzyme検出法をPer Juulの方法に準拠して, 3種の基質(PTC, BTCおよびATC)を用いて, 定量的に比較検討した結果, 次の知見が得られた.1.S-ChE isoenzyme検出法は, 家畜別に下記の基質と条件がより効果的である.a)ウマ, イヌおよびネコでは原法の基質BTCに替えて, 濃度5×10^<-3>M/lのPTCを使用し, incubation 1.5時間, 添加血清量は, ウマ, イヌで8μl, ネコで20μlとする.b)ブタでは3×10^<-3>M/l, ウシで1×10^<-3>M/lの濃度のATCを使用し, incubation時間4時間, 添加血清量はいずれも100μlとする.2.同一個体のS-ChE isoenzyme分画においても, 基質特異性を異にする分画が明らかに存在する.3.3種基質間における家畜別特異性は, ウマ, イヌ, ネコではPTC>BTC>ATC, ブタ, ウシではATC>PTC>BTCの順位を示し, これらの家畜別isoenzyme総括性百分率は, ウマ100 : 66 : 44,イヌ100 : 80 : 56,ネコ100 : 72 : 50,ブタ100 : 67 : 20,ウシ100 : 49 : 0となった.4.基質特異性の低下に伴い, isoenzyme分画数(バンド数)の減少が観察された.5.本実験により, 著者らの改良した家畜のS-ChE活性値の測定法の信頼性が立証された.
鹿児島大学の論文
1977-03-19