家畜における唾液腺ホルモン(パロチン)の臨床的応用に関する研究 : 第1報 馬にたいするパロチンの応用について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
馬に唾液腺ホルモン(パロチン)を応用した結果, 次の知見が得られた.1)馬にたいするパロチン投与は, 1日, 1回(1回の注射量50〜100mg), 隔日注射を原則とし, 病状により, 連日注射, もしくは注射回数を増減することが適当と考える.ただしアレルギー性体質馬には, 50mgを基準量として, 漸次増量することが, 適当と思われ, 合目的他剤との併用は, さらにその効果を相乗させ得るものと考える.2)パロチン投与により, 血中成分の一過性現象として, 白血球数の増数が見られ, その主体は好中球によることが観察された.3)パロチン連続投与による血中成分の変動は, 病馬と健康馬ではそれぞれ異なる所見が観察された.すなわち病馬では, 血清GOTの低下, 全血比重の低下, A/G比の上昇, 病的間接ビリルビン値の正常化が見られ, 健康馬では, 白血球像における好酸球の増数, 血清総蛋白量の低下, 血清GOTの低下, 血清Caおよび血清Mgの減少が見られた.4)常習疝痛馬1,跛行馬6,過食疝を併発した骨軟症馬1の8頭9症例にパロチンを応用し, 治癒6例(跛行4,疝痛2), 好転2例(跛行と骨軟症), 無効1例(跛行)の成績を収め, とくに慢性腸カタールに起因すると思われる常習性の疝痛と骨軟症に併発した過食疝に劇的効果を示した.5)体重減少抑制作用を明らかに認め, 食欲, 元気などの一般臨床所見を著しく改善した.6)パロチン100mg筋注において, 全身的な軽い震〓, 歩様蹌踉, 食欲減退を呈する1例が観察された.
- 1971-09-25
著者
関連論文
- 205 家畜の血清および胎盤由来アルカリ性フォスファターゼの熱抵抗性の比較(臨床繁殖学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- わが国に始めて見られたSetaria bernardiについて
- 家畜の血清Alkaline Phosphataseに関する臨床学的研究 : II.家畜の血清alkaline phosphatase isoenzymeの検出
- 家畜の血清Alkaline Phosphataseに関する臨床学的研究 : I.家畜の血清alkaline phosphataseの総活性値の測定
- 家畜の血清amylaseに関する臨床学的研究 : II.家畜の血清amylase isozymeの検出
- 家畜の血清amylaseに関する臨床学的研究 : I.家畜の血清amylase総活性値の測定
- 33 馬に対する唾液腺ホルモンの作用について
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(IV) : 血小板の電子顕微鏡的検索
- 難治性血腫を発症した黒毛和種牛における血小板凝集不全と大顆粒性好酸球
- ホルスタイン牛と子牛のレプトスピラ抗体保有状況調査
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(III) : 血小板コラーゲン凝集能低下
- 牛の分娩後に発する疾病の予知について : 鹿児島県における調査
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : VIII 家畜の血清Cholinesterase活性値と肝機能との関係
- 畜牛の実験的開胸手術に関する予備的研究
- 家畜における薬物冬眠の研究(第一報) : 家畜における臨床所見 : 特に体温・脈博・呼吸を中心として
- 実験的に分離した蝿胃虫幼虫又は小口胃虫幼虫による皮膚 HABRONEMA 症人工感染試験
- 実験的急性膵炎犬における血清アミラーゼ, アイソザイム, およびアミラーゼークレアチニンクリアランス比の変化
- 新生豚の血清アミラーゼ総活性およびそのアイソエンザイム分画と成長ならびにデキストラン鉄投与の関係
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : IV.家畜の血清Cholinesterase isoenzymeの検出法
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : III.イヌの血清Cholinesterase活性値ならびに血清Cholinesteraseと血清Albuminとの関連性の検討
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : II.-20℃凍結保存による酵素の安定性
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : I.家畜の血清Cholinesterase活性値の測定法
- 入来牧場の黒毛和種牛におけるレプトスピラ浸潤状況の調査
- レプトスピラの凍結保存に関する研究
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : XI.実験的症例における血清Cholinesterase(S-ChE)総活性値とS-ChE isoenzyme分画の動態
- イヌにおける実験的レプトスピラ症
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(II)
- 家畜における唾液腺ホルモン(パロチン)の臨床的応用に関する研究 : 第1報 馬にたいするパロチンの応用について
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : VII.著者らの検出法による家畜の血清Cholinesterase正常Zymogramの定量的検討
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : VI.-20℃凍結保存による血清Cholinesterase Isoenzymeの安定性について
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : V.著者らの測定法による家畜の血清Cholinesterase(S-ChE)正常活性値の検討と子ウシのS-ChE活性値の性差出現時期について
- 家畜のAspartate Aminotransferase(GOT)およびAlanine Aminotransferase(GPT)に関する臨床学的研究 : III 家畜の血清GOT IsoenzymeのDISC電気泳動法による検出
- 家畜のAspartate Aminotransferase(GOT)およびAlanine Aminotransferase(GPT)に関する臨床学的研究 : II 家畜の血清GOT活性の測定法
- 家畜のAspartate Aminotransferase(GOT)およびAlanine Aminotransferase(GPT)に関する臨床学的研究 : I 家畜におけるGOTおよびGPTの臓器内活性について
- 實驗的に分離した大口胃虫幼虫を以てせる皮膚 HABRONEMA 症人工感染試驗
- 家畜における唾液腺ホルモン(パロチン)の臨床的応用に関する研究 : 第2報 老令犬にたいするパロチンの応用について
- 馬の黄疽指数測定法に関する研究
- 243 馬の黄疸指数測定法と血清総ビリルビン値の簡易算出法について
- 血管腫を併発した牛の血腫の1例