子豚編成後の闘争が血漿コルチゾール濃度および末梢血リンパ球幼若化能に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本実験は, 子豚の群編成後の闘争が血漿コルチゾール濃度および末梢血リンパ球幼若化能に及ぼす影響を明らかにする目的で実施した。それまで同居したことのないランドレース×大ヨークシャー種去勢雄子豚, 12頭(4頭/腹×3腹)を用いた。生後64.0±0.8日齢に, 同腹豚4頭(グループA)を, 別の同腹豚4頭(グループB)を飼育している豚房に移動し編成した後, 19日間同居させた(実験1)。残りの同腹豚4頭は, 編成せずに対照豚とした。編成直後から9時間, グループBの豚はグループAの豚に対して激しく攻撃したが, グループAの豚による反撃はみられなかった。グループAおよびBの豚では, 編成後1時間における血漿コルチゾール濃度は, 編成前1時間, 編成後24時間および対照豚の値に比較して有意に増加したが, リンパ球幼若化能は編成後19日まで対照豚に比較して有意に低下していた。実験1終了後, グループAの豚は自身の豚房に戻し7日間飼育した後, 再びグループBの豚の豚房に移動し編成し, 14日間同居させた。再編成後には豚間の闘争と血漿コルチゾール濃度の上昇はみられなかった。再編成当日のグループAおよびグループBの豚におけるリンパ球幼若化能は対照豚に比較して有意に低かったが, その後は対照豚との間には有意差はみられなかった。これらの成績から, 互いを知らない2群の豚を編成した後の闘争は, 豚にとってストレッサーであり, 末梢血リンパ球幼若化能は編成後26日間は抑制していることが判明した。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1998-02-25
著者
-
阿久沢 正夫
鹿児島大学農学部家畜内科学研究室
-
阿久沢 正夫
家畜内科学研究室
-
出口 栄三郎
鹿児島大学農学部獣医学科
-
阿久沢 正夫
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
-
阿久沢 正夫
鹿児島大学 農
-
出口 栄三部
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
-
出口 栄三郎
鹿児島大学農学部
-
出口 栄三郎
鹿児島大学農学部獣医学科家畜内科学教室
関連論文
- 日本産ヤマネコの死因調査
- 日本産ヤマネコの保護と自然環境
- 雑種正常犬における左室心筋厚
- 慢性的な鼓脹症状を呈した黒毛和種雄牛における第3胃葉形成不全の1症例(内科学)
- ネコ巨細胞形成ウイルス感染の血清疫学調査(短報)
- 南九州における飼育猫のレプトスピラ抗体保有状況
- 犬のnm23遺伝子のクローニングと正常組織および乳腺腫瘍組織における発現(内科学)
- 黒毛和種子牛の尿からPCRにより検出されたレプトスピラDNAと血清抗体との関連
- 臍帯止血異常がみられた新生子牛の1例
- PCRによる犬の尿中レプトスピラ検出法の検討および臨床例への応用
- わが国の6地域における飼育犬のレプトスピラ抗体保有状況
- わが国の6地域における飼育犬のレプトスピラ抗体保有状況
- 正常ネコおよび慢性腎不全ネコにおける内因性クレアチニン, 尿素, NaおよびKの腎クリアランス
- 九州における産業動物臨床教育
- 講座 牛の貧血と輸血
- 脂肪肝の効果的な治療について
- 止血と凝固の異常 (猫の血液病)
- ラット肝癌細胞dRLh84移植癌における新規なタンパク質PSPの発現抑制
- 天然記念物ツシマヤマネコの剖検例
- 1996年-97年に経験されたイリオモテヤマネコの保護および死亡例
- 黒毛和種子牛血清成分の日齢に伴う変化
- 黒毛和種子牛の哺乳期下痢症の気象疫学
- ロタウイルス感染症の下痢黒毛和種子牛における血清ハプトグロビンおよびα1-酸性糖タンパク質濃度と血清添加によるリンパ球幼若化能の抑制
- ロタウイルス感染症の下痢黒毛和種子牛における血清ハプトグロビンおよびα1-酸性糖タンパク質濃度と血清添加によるリンパ球幼若化能の抑制
- δストレージプール病黒毛和種牛におけるコラーゲンにより惹起される血小板凝集に伴う血小板細胞骨格蛋白質の変化および血小板膜糖蛋白質
- 正常および下痢発現黒毛和種子牛における末梢血リンパ球幼若化能と血清ハプトグロビンおよびα_1-酸性糖タンパク質濃度
- 正常および下痢発現黒毛和種子牛における末梢血リンパ球幼若化能と血清ハプトグロビンおよびα_1-酸性糖タンパク質濃度
- 子豚編成後の闘争が血漿コルチゾール濃度および末梢血リンパ球幼若化能に及ぼす影響
- 哺乳子豚下痢症例における乳糖耐性の低下
- 子豚の群編成後の末梢血コルチゾール濃度, 白血球数および単球と好中球の貪食能の変化
- レプトスピラワクチン投与犬の血清抗体価
- ツシマヤマネコ(Felis bengalensis euptilura)の糞便から得られたArthrostoma hunanensisのイエネコ(Feli catus)への感染実験
- ツシマヤマネコ(Felis bengalensis euptilura)の内部寄生虫調査
- 鹿児島県畜犬管理センタ-の引き取り犬におけるレプトスピラ抗体調査
- 黒毛和種肥育牛に多発する皮下血腫
- イリオモテヤマネコFelis iriomotesisの保護及び死亡個体の記録と臨床病理学的検討(1996-1997年)
- イヌコロナウイルスを用いた微量中和試験によるイヌ・ネコのコロナウイルス抗体検出
- イリオモテヤマネコのウイルスおよびマイコプラズマ検索
- ビール粕植物性乳酸菌発酵物の飼料添加による肥育前期子豚の増体、死亡率、一般血液所見および経済効果
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(IV) : 血小板の電子顕微鏡的検索
- 難治性血腫を発症した黒毛和種牛における血小板凝集不全と大顆粒性好酸球
- ホルスタイン牛と子牛のレプトスピラ抗体保有状況調査
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(III) : 血小板コラーゲン凝集能低下
- 犬の絞扼瘢痕組織による食道狭窄の1例
- 牛の分娩後に発する疾病の予知について : 鹿児島県における調査
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : VIII 家畜の血清Cholinesterase活性値と肝機能との関係
- イリオモテヤマネコとツシマヤマネコの蠕虫感染状況
- 実験的急性膵炎犬における血清アミラーゼ, アイソザイム, およびアミラーゼークレアチニンクリアランス比の変化
- 新生豚の血清アミラーゼ総活性およびそのアイソエンザイム分画と成長ならびにデキストラン鉄投与の関係
- 1991-1993年における馬のレプトスピラ抗体保有状況
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究
- 入来牧場の黒毛和種牛におけるレプトスピラ浸潤状況の調査
- レプトスピラの凍結保存に関する研究
- トカラ馬の血液検査成績
- ランドレース種去勢雄ブタの体重あたりの1日尿中クレアチニン排泄量(短報)
- 慢性腎不全の猫における血清クレアチニン濃度および血清尿素窒素濃度による内因性クレアチニンクリアランス値の推定
- 家畜の血清Cholinesteraseに関する臨床学的研究 : XI.実験的症例における血清Cholinesterase(S-ChE)総活性値とS-ChE isoenzyme分画の動態
- イヌにおける実験的レプトスピラ症
- 鹿児島県で発生した牛の血腫に関する臨床血液学的研究(II)
- 親密でない子豚の群編成過程にみられる行動と血漿コルチゾール濃度との関係
- 親密でない子豚の群編成過程にみられる行動と血漿コルチゾール濃度との関係
- 子豚の群編成と末梢血コルチゾール濃度,リンパ球幼若化能,単球貪食能およびフィトヘマグルチニン(PHA)皮内反応
- 子豚の群編成後短時間における末梢血コルチゾール, グルコースおよび遊離脂肪酸濃度と白血球数および好中球貪食能の変化
- 子豚の群編成後短時間における末梢血コルチゾール, グルコースおよび遊離脂肪酸濃度と白血球数および好中球貪食能の変化
- 母ブタの周産期における末梢血リンパ球幼若化能
- 哺乳子豚下痢症に対するβ-ガラクトシダーゼ投与の効果
- 特集 豚のストレスと快適性(Part.1)ストレスを知る ストレスによる免疫性低下にどう対応するか--養豚技術の問題点と改善策
- 口之島野生化牛の生息頭数と環境調査
- ネコにおける経口投与^N標識尿素および^N標識クエン酸2アンモニウム(DAC)由来^Nの組織タンパク質への取り込みと体内保留率について
- 離乳子豚と肥育前期子豚に発生した Streptococcus suis 感染症
- 子豚の豚房移動と末梢血リンパ球幼若化反応
- XY型性腺形成不全症ヒツジの一例について
- 大ヨークシャー種去勢雄豚における体重と24時間尿中クレアチニン排泄量との関係
- 豚のストレス、免疫機能低下、易感染とその対応 : 豚サーコウイルス2型(PCV2)のワクチン接種によるPCV2の豚体内動態と農場内コントロール
- と畜検査で関節炎型豚丹毒を疑い保留された豚における豚丹毒菌分離と関節液における豚丹毒抗体価との関係
- 肥育豚および繁殖雌豚の前肢および後肢にかかる体重負重割合
- 心エコー検査を用いた猫の肥大型心筋症と正常心の拡張機能の比較