脾病態と骨髄並びに末梢リンパ球との関連について

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脾病変の検討中,脾病態と骨髄並びに末梢リンパ球との関連につき2,3の観察を行なった。すなわち特発性門脈高血圧症(いわゆるBanti症候群)109例の骨髄穿刺採取組織片の組織像検索を発端として,各種疾患897例を観察し,また95例の特発性門脈高血圧症の摘脾直後1〜15年経過せるものと,外傷のため摘脾せざるを得なかった27症例,摘脾後1〜30年を経過したものにつき,血液学的に経過および追跡検査を実施した。1)人骨髄リンパ球のありかたは自験,汎骨髄労患者骨髄においてみられたごとく骨髄内に散在した状態にある。しかし,一方,リンパ液胞としても認められることがあり,しかも特発性門脈高血圧症,肝疾患,免疫が関与すると思われる疾患などある特定の疾患においては,その意義を示唆するがごとく骨髄内リンパ濾胞の増加(この濾胞は胚中心のみられないものが多い)がある。2)脾腫性疾患並びに外傷脾の摘脾後における末梢血白血球の変動を追求すると,摘脾約3か月後において中,大リンパ球を主体としたリンパ球の増多があり,好中球との比は逆転し,これは長年月持続される。しかし,炎症等の際には好中球増多反応はなお経持されている。γ-グロブリンに関しては著明な変化は認められない。以上は脾病態と他組織リンパ球との相互関係を示す極めて暗示的な現象であると推測する。
北里大学の論文
1975-04-30

脾病態と骨髄並びに末梢リンパ球との関連について

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