非持続性心室性頻拍の臨床的特徴 : 心血管疾患の有無による異同

概要

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ホルター心電図より記録された非持続性心室性頻柏(VT)を,健常群(A群21例)と心血管疾患合併群(B群54例)に分け,その臨床的意義を対比検討した。一日のVTの総数はA群で平均21.6回と多かったが連発数には差がなかった。しかし,5連発以上ではB群で約2倍の出現頻度であった。VT rateはA群で平均179.6beat/minで明らかにB群に比べ速かった。一方,VTのR-R間隔の規則性はその最大変動幅がA群で平均89.9ms,B群で152.3msであり,B群でその不規則が大であった。1日総心室性期外収縮(PVC)数は平均でA群がB群の約3倍の頻度で多かった。出現様式をみると,A群で二段脈の占める割合が多かったが二連発PVCには差がなかった。VT直前の心拍数,QT間隔には差を認めなかったが,coupling indexおよびprematurity indexはB群で大であった。以上より,臨床的意義の大きいB群では背景となるPVCの出現頻度,あるいは出現様式とは関係がなく,VT rateの不規則性と連結期の長いVPCが特徴的であり,心室細動との関連で注目される。
北里大学の論文
1986-10-31