冠動脈疾患における反応性充血による冠動脈予備能の評価

概要

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近年ドップラーガイドワイヤー(FroWir^<[○!R]>,Cardiometrics社製)の開発によって,容易に冠動脈内血流速度を測定することができるようになった。心臓カテーテル検査を施行した80例を対象にして,対照群(C群),狭窄群(A1群:左前下行枝1枝病変あるいは左前下行枝病変に右冠動脈を伴う2枝病変,A2群:左前下行枝病変に左回旋枝を伴う2枝あるいは3枝病変),冠動脈攣縮群(S群),Syndrome X群(X群)に分けて,左冠動脈に対して造影剤(ioxaglic acid; Hexablix^<[○!R]>) 5mlを5秒間で注入することで反応性充血を誘発し,平均血流速度(APV)と最大血流速度(MPV)の変化から冠動脈予備能について検討した。冠動脈予備能(最大値/投与前値)はA1群,A2群においてC群と比較して有意に低下しており,狭窄群を狭心症(AP)と心筋梗塞(MI)に分類した結果,MIでは冠動脈予備能は有意に低下していた。以上より,反応性充血による反応は,冠動脈予備能の評価に有効であると考えられる。
北里大学の論文
1994-12-31