急性心筋梗塞後にみる夜間降圧現象の障害に関する検討

概要

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夜間睡眠時の降圧現象が消失する例(non-dipper)では心・脈管合併症が出現しやすいことが知られだした。そこで急性心筋梗塞(AMI)発症後の夜間降圧度(ND)を求め,non-dipper出現状態を調べた。ND≦10%のものをdipperとする一般的基準を用いたさい,発症1過(1W)では37%に,4週(4W)では33%にnon-dipperが出硯した。ND≧7%をdipperとすると,1Wで22%,4Wで33%がnon-dipperであった。さらにND≧5, 7, 10, 12%をdipperとする4基準を検討したさい,ND≧7%の基準で1Wのdipperが4Wでnon-dipperに移行するA群のWIが高値,左室駆出率(EF)が低値を取った。すなわち,梗塞サイズが大きく,左室収縮機能障害の明らかな例で1W以降にnon-dipperが出現しだした。1Wの24時間尿中ノルエピネプリン排泄量(NE)がNDと正相関を示したことからAMI発症早期の交感神経活性を含む自律神経活動の変動がNDを規定しているものと思われた。
北里大学の論文
1995-12-31