看護技術を支える知識に関する一考察 : 患者の生活環境に関する文献を通して(その2)

概要

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患者の環境を安全の視点から捉えるとき細菌学的な見地から病室環境の汚染状況を知ることは重要である。病人の生活環境に関する文献のなかで,学生に教授するために必要な塵挨・細菌汚染に関する知識がどの程度明らかにされているのかを検討した。その結果,病院内では個室の入り口や中央廊下などの落下菌が多かった。その原因としては人の出入りが激しい時間帯や場所が影響している。また,寝具類の汚染では,患者の病状や行動によって汚染の程度や汚染部位に違いがあることが明らかにされた。患者が使用するシーツについては,寝具交換後4日目までにコロニー数が急激に増加することからリネン交換の時期が示唆された。また,ベッドメーキングと落下菌の関係をみた研究ではリネン交換の影響を指摘した研究が多く,窓を開放にしてリネン交換をした場合には落下菌の影響があることなどが明らかにされた。その他に,清掃方法と落下菌に関する研究などの報告もある。清掃用具についてはベッドブラシとハンドクリーナー,ローラーとの比較から,ベッドブラシを用いた場合は落下菌や付着菌が多く,ブラシを消毒する必要性が示唆された。
順天堂大学の論文
1997-03-29