<原著論文>臨床実習中における看護学生が抱える問題とその指導について

概要

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臨床実習は,看護基礎教育の中で重要な位置を占めている.本校では臨床実習の場面で,看護過程を中心に様々な能力を習得することを狙っている.しかし,学生にとって看護過程を中心とした看護の展開は容易ではない.今回,本校の学生の2年生,3年生を対象に,臨床実習中の看護過程の展開やカンファレンスにおいて直面する問題,その問題が生じる原因,問題解決の方法について学生自身の考えを中心に調査した.その結果,学生が持っている問題は,対象の理解と看護計画では,情報を収集しても十分に活かせない,生活に関する情報を収集しにくい.看護の実践場面では,事前の練習が不足している.看護記録については,文章表現や専門用語の活用が難しい.カンファレンスでは,効果的な運営がされにくいという事であった.また問題の原因は,勉強不足や学生自身が積極的でないこと,患者やスタッフとの人間関係のまずさが上位を占めた.それらを踏まえて,臨床実習において教員は,個々の学生の能力を把握したうえで,個別的な指導をすることや,病棟指導者との連携を図る必要がある等,多くの示唆を得た.
1991-03-25