不妊治療後の初妊婦と自然妊娠による初妊婦の不安についての比較検討
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概要
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不妊治療をうけて妊娠した初妊婦と自然妊娠による初妊婦を対象に花沢の「妊娠期母性心理質問紙」を用い妊娠初期群,妊娠中期群,妊娠末期群における母性不安,一般不安について調査した結果以下のことが明らかになった。1.妊娠の経過,胎児の発育については不妊症治療後の妊婦の妊娠中期群に不安が強く,流産に対する不安や胎児の発育に関するものであった。2.母体の影響では両群に差はないが,自然妊娠の妊婦の妊娠末期群に不安が強い傾向が見られ,栄養摂取と胎児の発育に関するものであった。3.分娩の予想では不妊症治療後の妊婦の妊娠初期群,妊娠中期群に不安が強く,早産に対するものや分娩の異常についての不安であった。4.児への期待では不妊症治療後の妊婦の妊娠初期群,妊娠中期群に不安が強く,胎児の発育に関する不安であった。5.育児の予想,容姿の変化,夫との関係では両群においていずれも差はなかった。6.不妊治療後妊婦の一般不安の妊娠初期群では「胸がドキドキして落ち着かなくなる」「何か不幸なことが起こらないか心配」という不安が強く,妊娠末期群では「胸がドキドキして落ち着かなくなる」「本当はなんでもないのに,必要以上に心配をする」という不安が強かった。
- 1998-03-29
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