看護技術を支える知識に関する一考察 : 患者の生活環境に関する文献を通して(その1)
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概要
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患者の生活環境を快適に保つことは,患者に安全・安楽をもたらす基本となる。今回,患者の生活環境における物理的因子の調整に関する文献において,学生に教授するために必要な,科学的な知識がどの程度明らかにされているかを検討した。その結果,以下のようなことが明らかになった。(1)至適温度,臭い,色彩についての研究は各1〜2題である。夏期冷房下の至適温度は25〜27℃の範囲である。病室の臭いの最大原因は排泄に伴うもので,換気,汚物除去,身体の清潔,消臭芳香剤の使用にて軽減できる。病院では白が多用され,色刺激が身体に与える影響は,赤,黄,緑,青の順に減少する。(2)病棟内の音についての研究は40題行なわれていた。音の発生源は看護業務に伴うものが多い。音の大きさは環境基準を超える場合が多いが,患者は全てを不快にとらえてはおらず,その感じ方は患者の背景によっても異なる。(3)患者および看護者にとって快適なベッド間隔は,最低70cmを必要とし,120cmを標準とすることがのぞましい。(4)患者のプライバシー意識には,年齢,性別,入院日数,診療科別が影響を与える。プライバシーを守るための個人空間を確保する行動は物理的な構造物によるものと,相互認識行動に大別される。(5)患者は多床室に対して,寂しさをいやし,にぎやかな入院生活をおくるための話相手を求める場合もある。(6)病室内の人間関係を良好に保つためには,同室者の条件に類似性を持たせること,慎重に部屋移動を行なうことが大切である。(7)収納には,スペースとともにそのしやすさが関係している。(8)ラバーシーツを使用したベッドは,使用していないときよりも温度・湿度の上昇が速く,患者の不快感が高い。マットレスパッドを使用したベッドは体圧が高く,ラバーシーツと横シーツを組み合わせるとさらに圧は上昇する。(9)患者の病室・病棟の評価には,物理的要因と対人的要因が関与している。
- 1997-03-29
著者
-
村上 みち子
群馬県立県民健康科学大学
-
鈴木 淳子
順天堂医療短期大学基礎看護学
-
山下 暢子
順天堂医療短期大学
-
服部 惠子
順天堂医療短期大学
-
工藤 綾子
順天堂医療短期大学
-
服部 恵子
順天堂医療短期大学
-
村上 みち子
順天堂医療短期大学
-
山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学
-
工藤 綾子
順天堂大学医療看護学部
-
工藤 綾子
順天堂医療短期大学老年看護学
-
山下 暢子
千葉大学大学院看護学研究科
-
村上 みち子
元順天堂医療短期大学
-
服部 恵子
順天堂医療短期大学 看護学科
-
山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学基礎看護学
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