<原著論文>高齢患者の頭髪細菌汚染状況と感染予防を目的とした洗髪方法の検討

概要

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健康障害をもつ高齢者は,恒常性が維持しにくいため,感染には注意を必要とする。65才以上の高齢患者63名を対象に,頭髪細菌汚染の実態と感染防止のための洗髪方法の除菌効果を検討した。洗髪方法は「50%アルコールと市販のシャンプーおよびリンスを用いた洗髪」と「市販のドライシャンプーを用いた洗髪」の2種類である。結果は1)高齢患者の頭髪汚染度はMRSAの他に日和見感染の原因菌が洗髪前後とも多数検出され,平均44.8コロニーであった。2)性別頭髪汚染度の比較では,男性の頭髪汚染度は女性よりも有意に高かった。3)髪型別・洗髪期間別の洗髪前の頭髪汚染度に有意差はなかった。4)安静度別頭髪汚染度の比較では,日常生活の自立度の高い患者の頭髪汚染度は身の回りの介助の必要な患者より高かった。5)髪型別による洗髪の除菌効果では,ショートヘアのコロニー数が洗髪後有意に減少したことから効果が認められた。6)洗髪方法の違いによる除菌効果は,ドライシャンプーのコロニー数が有意に減少した。
2001-03-29