看護技術を支える知識に関する一考察 : 排泄の文献を通して
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概要
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基礎看護技術を学生に教授するには確かな知識に支えられた看護技術を指導することが望ましい。今回,患者の安楽に最も影響を与えると考える排泄を取り上げ,基礎看護技術を教授するのに必要な知識がどの程度実証されているか文献により明らかにした。検索した文献を(1)排泄時の環境についての研究,(2)排泄に用いる用具についての研究,(3)自然排便を促すための研究,(4)排泄時の患者の心理に関する研究に整理し,考察した。その結果,排泄時の環境についての研究は減音・消臭などの姑息的な方法についての研究であり,理想的なトイレの空間,構造,設備についての研究はみあたらなかった。また,排泄に関するものには先入観による不快臭があり,先入観を取り除くための工夫が示唆された。排泄用具についての研究では,臥床したまま腰を挙げられない患者の排泄方法や女性用尿器をひとりで使用する方法など,様々な工夫がなされている。便器の特徴については,和式便器の方が仙骨部にかかる体圧が体型に関係なく大きいことが実証された。おむつについては,高吸収ポリマーを使用した製品を実際に使用した研究はみあたらなかった。また布おむつを使用する場合,おむつ内の蒸れはおむつカバーの材質には関係しない。老人の排泄パターンは若い人に比べて排尿回数や尿量が多い。自然排泄を促す方法についての研究では腹圧をかけやすい体位は上半身を挙上した体位であり,洋式トイレの方が望ましい。また排便時の怒責による循環器への負担を軽減するためには,息をこらえないで力む方法が有効でありトレーニングにより排便を促すことが可能である。腹部・腰部の温罨法や指圧・マッサージは,腸蠕動を促すためには有効である。食物繊維の摂取は多すぎても少なすぎても苦痛があり,適量は20g/日である。排泄介助を受ける患者の心理については「動けないので仕方がない」と受け止めている患者が多い。今後,患者の真の声が聞けるような研究が必要である。
- 順天堂大学の論文
- 1993-03-25
著者
-
村上 みち子
群馬県立県民健康科学大学
-
鈴木 淳子
順天堂医療短期大学基礎看護学
-
服部 惠子
順天堂医療短期大学
-
工藤 綾子
順天堂医療短期大学
-
服部 恵子
順天堂医療短期大学
-
村上 みち子
順天堂医療短期大学
-
山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学
-
岩永 秀子
順天堂医療短期大学
-
工藤 綾子
順天堂大学医療看護学部
-
工藤 綾子
順天堂医療短期大学老年看護学
-
服部 恵子
順天堂医療短期大学 看護学科
-
山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学基礎看護学
-
岩永 秀子
東海大 健康科学
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