看護技術を支える知識に関する一考察 : 排泄の援助に関する文献を通して(2)
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概要
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排泄に関する看護技術の教授に必要な知識が科学的にどの程度実証されているか明らかにするために,1992年までに発表された文献研究に続き,今回は,1993年以降に発表された文献を検索し検討した。その結果,以下のことが明らかになった。1.排泄時の環境については,前回同様に研究が少なく,減音・消臭の方法についての研究が3題あった。2.排泄用具については,臥床したままで腰を挙上せずに装着できる便器,臥床したままで自分で支えられる女性用尿器や,男性用・女性用自動採尿器の考案,便座に取り付けて用いる採尿器が考案されていた。3.自然排便を促すための援助として,食物繊維の添加,摂取する水分の増量,運動・便秘体操の実施,温罨法,指圧・マッサージの実施,およびそれらのいくつかの方法を組み合わせて実施した結果について報告され,組み合わせて行うとより効果がみられた。4.排泄に伴う生理的変化については,腸音リズムを視覚的に観察し排便習慣の判断に活用する可能性が示された。5.排便動作に伴う筋活動については,床上排便,洋式トイレ,和式トイレのいずれの排便姿勢においても活動量が多く,怒責時に強い活動が見られるのは外腹斜筋であった。6.床上排便時の循環動態については,健康な成人女子では浣腸後の排便時の収縮期血圧,拡張期血圧とも増加がみられた。また,健康な被験者に対しゴム便器,洋式便器,和式便器を用いて介助した場合,心負荷としては安全範囲内であった。7.床上排泄の援助を受ける患者の心理は,「気兼ね」と「自尊心の喪失」に集約され,看護婦は患者の心理を十分理解して対応する必要性が裏付けられた。
- 順天堂大学の論文
- 2000-03-29
著者
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村上 みち子
群馬県立県民健康科学大学
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鈴木 淳子
順天堂医療短期大学基礎看護学
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服部 惠子
順天堂医療短期大学
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村上 みち子
順天堂医療短期大学
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山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学
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永野 光子
順天堂医療短期大学基礎看護学
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小元 まき子
順天堂医療短期大学基礎看護学
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村上 みち子
元順天堂医療短期大学
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服部 恵子
順天堂医療短期大学 看護学科
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山口 瑞穂子
順天堂医療短期大学基礎看護学
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