<原著論文>基礎看護実習Iにおける学生の学び

概要

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本学では臨床における基礎看護実習を1年次,2年次の2段階に分けて実施している.1年次の実習では「患者の日常生活の援助を通して,基本的看護技術を学ぶ」ことを目標とする.今回,1回生の1年次基礎看護実習を実施し,看護について,どのようなことを学び,気づいたのかを把握したいと考えた.そこで実習終了後に,看護についての学びをレポートさせた.レポート内容を抽出した結果,(1)患者像,(2)コミュニケーション,(3)日常生活の援助,(4)看護婦像,(5)看護とは,などの学びや気づきがあることが解った.患者に対して漠然としたイメージしか抱いていなかった学生が,看護者の立場で初めて患者に接し,日常生活の援助を行った.その過程で情緒レベルではあるが,患者への理解を深め,コミュニケーションが看護に果たす役割に気づいている.そして,看護とは,「患者の自立を助けるように援助することである」「患者が一日を快適に過ごせるように援助しなければならない」「患者が病気を治そう,生きようとする力が湧いてくるような心の援助が大切」などと,看護の本質を学んでいる.
1991-03-25