卒業生の臨床看護実践能力 : 自己評価と他者評価の比較から
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概要
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平成2年の改正カリキュラムで学んだ本学の卒業生がどのような看護実践力をもち,専門職業人としてどのように変化しているかを調査したいと考えた。そこで1996年に順天堂医院および順天堂浦安病院に就職した新人看護婦全員の自己評価とその上司である婦長・主任による他者評価を実施した。また,他者評価は卒後2年6ヵ月,卒後3年6ヵ月を経た看護婦に対しても実施した。測定用具はP.M.Schwirianらが開発した6-Dimention Scale of Nursing Performanceを改良・修正したもので,リーダーシップ,クリティカルケア,教育/協調,計画/評価,対人関係/コミュニケーション,専門家としての発達の6カテゴリーで構成されたものである。各カテゴリーに下位尺度の項目をおいて,下位尺度は全部で40項目として自己評価,他者評価を依頼した。その結果,卒後6ヵ月では,ほぼ全ての項目で他者評価に比べて自己評価が高かった。卒後6ヵ月・3年目では自己評価・他者評価とも対人関係技術の評価が高く,5年目を経過するとクリティカルケアの評価が高くなっている。卒後6ヵ月,3年目,5年目と経験を重ねる毎に各項目の評価は高くなっている。特にリーダーシップに関する項目の変化が大きく,次いでクリティカルケアに関する項目の変化が目立っ。本学の卒業生の比較的低い評価項目は教育/協調であり,5年目を経過して低値を示しているものに計画/評価などがある。本学の卒業生は対人関係/コミュニケーション,専門職発達技術は高いが,教育/協調,計画/評価などの評価が低い。その他,下位項目で社会資源の開発,他職種との連携なども低くこれらを強化した教育や問題解決能力に力を入れた教育をしていかなければならないことが明らかになった。
- 1997-03-29
著者
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