<原著論文>看護学生の高齢者へのエイジズム : 1年生と3年生のFAQの比較
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概要
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看護学生の高齢者に対するエイジズムを明らかにするため,1年生100名と3年生50名を対象に,FAQを用いた横断的調査により,以下の結果を得た。3年生は,誤答数が1年生より多く,1年生より否定的偏見をもっていた。1年生は中間回答数が3年生より多く,3年生より高齢者に対する正確な知識をもたないことを示唆した。学年別の回答数に関連のある項目は,[感覚機能の低下][性的機能の低下][惨めな心理][車の運転による事故の少なさ][若者と比較した労働効率の低下][健康高齢者の占める比率][時勢の変化への順応性の低下][新規の学習への困難さ][職場における事故の少なさ][信心深さ]の10項目であった。また,3年生は1年生より高齢者の感覚機能や性的機能の身体的側面について,正確に理解している一方,1年生より高齢者の心理状況や社会生活の適応性や効率性について,否定的な偏見を持つ傾向を示した。両学年の正答率70%以上の7項目は,高齢者の身体機能や学習能力低下に関する項目であった。両学年の正答率が50%以下の11項目は,学生が高齢者を「衰弱し,集中力の欠如した順応性のない非生産的な存在」と見る傾向を示唆した。
- 順天堂大学の論文
- 2001-03-29
著者
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