保育者の年長児に対する現状認識と保・幼・小連携への対応 : 質問紙調査の分析を中心に

概要

論文の詳細を見る
本稿では、年長児の育ちの現状と保・幼・小連携に対する課題について保育者がどのような認識をもっているのかを、質問紙調査の結果分析を通して考察した。調査項目は、主に「年長児の育ちに対する現状認識」、「保護者及び小学校教員からの要求に対する認識」、「家庭教育に対する要望」、「連携に対する課題意識」から成る。回答結果を分析し、以下の点が明らかになった。(i)年長児が「人間関係能力」を身に付けていないと認識している保育者が相対的に多い。(ii)保育には「学習・生活規律」や「良好な友人関係及び遊び」の習得が求められているという認識がある。(iii)近年の年長児担当者は家庭教育に対して「基本的生活習慣」の習得を多く求める傾向がある。(iv)連携に向けて、子どもの発達に関する相互理解の必要性を感じながらも、共通のカリキュラムや合同の授業づくりに対しては難しいと受けとめている。また本稿では、小学校教員を対象とした前回調査の結果との比較検討も行っている。そこで明らかになったことは以下の点てある。(i)保育者、小学校教員両者とも、子どもの「人間関係能力」の習得について否定的な現状認識がある。(ii)小学校教員の方が家庭教育に対する期待度は高い。(iii)共通カリキュラムの作成や合同授業づくりの協働に対しては両者とも消極的である。
九州女子大学・九州女子短期大学の論文

保育者の年長児に対する現状認識と保・幼・小連携への対応 : 質問紙調査の分析を中心に

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク