機能性素材として市販されている「植物セラミド」に含まれるスフィンゴ脂質の含有量と構成分の分析

概要

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市販されている2種の植物性スフィンゴ脂質素材に含まれるスフィンゴ脂質の種類,含有量および構成分の組成を明らかにした。コムギ胚芽および米糠から調製された「植物セラミド」に含まれるスフィンゴ脂質は実質的にセレブロシド(モノグリコシルセラミド)のみで,遊離セラミドはほとんど検出されなかった。セレブロシドの含有量にっいて,構成糖の比色定量,ケイ酸薄層クロマトグラフィー(TLC)-デンシトメトリーおよび光散乱検出器を用いた高性能液体クロマトグラフィーを行って検討したところ,いずれの方法でも実用上,問題のない精度で定量できることが確認された。両市販品とも機能性スフィンゴ脂質の含有量は微量で,弱アルカリ処理とケイ酸TLC-デンシトメトリーを併用した簡便な方法で求あたスフィンゴ脂質量は,コムギ由来の調製物では2.7%,米糠からのものでは0.2%であった。また,それらのセレブロシド構成分(スフィンゴイド塩基,2-ヒドロキシ脂肪酸および糖)の組成はそれぞれ既報のコムギとイネ種子中のゼレブロシドと類似していた。このことから,「植物セラミド」素材中には原材料以外のスフィンゴ脂質は配合されていないと判定された。
帯広畜産大学の論文
1997-10-31