Mofezolac (N-22)のラット経口投与による3カ月間亜急性毒性試験および1カ月間回復試験
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概要
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ラットにN-22の200, 60, 20および6 mg/kgを3カ月間連続経口投与し, その亜急性毒性および回復性について検討を行い, 以下の知見を得た. 1. 一般状態の観察では200mg/kg群に口・鼻周囲の汚染, 立毛, 貧血, 下痢, 削痩, 自発運動の減少などがみられた. 死亡は200mg/kg群の雄9例, 雌13例で投与4〜13週にみられ, 血液を混じた下痢の排泄を呈し衰弱死した. 2. 摂餌量の減少および体重の増加抑制が200mg/kg群の雄では投与4週頃, 雌では投与6週頃より, さらに摂水量の増加が200mg/kg群の雄で投与7週頃よりみられた. 3. 尿検査では20mg/kg以上の群の雄にpHの低下が, 60mg/kg以上の群の雄にウロビリノーゲンの陽性化がみられた. 4. 血液学的検査では200mg/kg群の雌雄にRBC, Ht値, Hb量の減少と網状赤血球率の増加が, 雄に好中球率の増加がみられた. 5. 血液生化学的検査では20mg/kg以上の群の雄にCl^-の減少が, 60mg/kg以上の群の雄にCa^<++>の減少が, また, 200mg/kg群の雌雄にChE, TP, Albの減少, BUN, UA, K^+の増加, 雌にGOT, LDH活性の上昇がみられた. 6. 臓器重量では200mg/kg群に肝, 腎, 脾, 副腎の重量あるいは相対重量の軽度増加がみられた. 7. 病理学的検査では200mg/kg群の死亡例に空腸および回腸の穿孔性潰瘍とそれに付随した混濁腹水, 腹腔内諸臓器の癒着と被膜の炎症性変化, 脾腫, 腸間膜リンパ節の腫大, さらに胸腔内臓器の炎症性変化などがみられた. 200mg/kg群の生存例では少数例ないし約半数例に死亡例と同様の諸変化が軽度に認められた. 8. 上記諸変化は1カ月間の休薬によりいずれも回復ないし回復傾向を示し, 可逆性の変化であった. 9. 本試験における無影響量は雄が6 mg/kg, 雌が60mg/kg, 確実中毒量は雌堆とも200mg/kgと推定された.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1990-06-30
著者
-
桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
山下 和正
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
木口 雅夫
化合物安全性研
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木口 雅夫
化合物安全性研究所
-
新保 幸太郎
株式会社化合物安全性研究所
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竹内 雅也
株式会社化合物安全性研究所
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山下 和正
大鵬薬品工業
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木口 雅夫
株式会社化合物安全性研究所
-
岡崎 修三
株式会社化合物安全性研究所
-
橋本 由佳里
株式会社化合物安全性研究所
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青木 由加利
株式会社化合物安全性研究所
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桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
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