Ranitidine hydrochlorideのラットにおける胎仔の器官形成期静脈内投与試験
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概要
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Ranitidineの5,15及び40 mg/kg/dayをCrj : CD (SD)系, 雌ラットの胎仔器官形成期(妊娠7日目より17日目まで)に静脈内投与し, 母動物, 胎仔並びに出生仔に及ぼす影響について検討し, 以下の知見が得られた。1. 40 mg/kg群全例で投与直後に腹臥状態, 振せん及び呼吸促迫が一過性に起ったが, 直ちに回復し, その後に異常はみられず, 死亡例もみられなかった。2. 母動物の体重推移に関してranitidine投与群で妊娠期間中に体重増加量の減少が, 哺育後半には15及び40 mg/kg群で体重増加抑制が認められた。3. 臓器重量に関して妊娠末期観察母動物の40 mg/kg群で甲状腺と肝の絶対及び相対重量の低下が, 哺育終了時に15及び40 mg/kg群で肝の絶対及び相対重量の低下が認められた。4. Ranitidine投与による胚及び胎仔致死作用, 胎仔発育抑制作用及び催奇形作用は認められなかった。5. 分娩及び哺育に関してranitidine投与による影響は認められなかった。6. 出生仔の体重に関して, ranitidine投与群の雄で離乳後に体重増加抑制が認められたが, ranitidine投与による明らかな影響は認められなかった。7. 出生仔の諸機能, 行動及び学習能力にranitidine投与による影響は認められなかった。8. 出生仔の生殖能力及びF_2ラットの胎生期発生に関してranitidine投与による影響は認められなかった。以上の結果より, 40 mg/kg/day以下の投与では, 胚及び胎仔致死作用, 胎仔発育抑制作用及び催奇形作用は認められず, 分娩, 哺育並びに, 出生仔の生存性, 諸機能, 情動性, 学習能力及び生殖能力に対して何ら影響を及ほさないことが確認された。従って, 本試験におけるranitidineの母動物の生殖, 胎仔及び出生仔に対する無影響量は40mg/kg/dayであると考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1984-06-15
著者
-
新保 幸太郎
株式会社化合物安全性研究所
-
竹内 雅也
株式会社化合物安全性研究所
-
田辺 恒義
東日本学園大学薬学部薬理学教室
-
釜田 悟
株式会社 化合物安全性研究所
-
田辺 恒義
北海道大学:東日本学園大学
-
釜田 悟
株式会社化合物安全性研究所
-
坂上 正子
株式会社化合物安全性研究所
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