Ranitidine hydrochlorideのラットにおける妊娠前及び妊娠初期投与試験

概要

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Ranitidineの50, 200, 800 mg/kg/dayをCrj : CD (SD)系ラットに雄では交配前60日間, 雌では交配前14日間及び妊娠初期に毎日連続経口投与し, 雌雄ラットの生殖機能及び胎仔に及ぼす影響について検索し, 以下の知見を得た。1.800 mg/kg群の雌雄と, 200 mg/kg群の雄に, 投与直後, 一過性の唾液分泌亢進が認められた。その他, 一般症状に異常はみられず, 途中死亡もみられなかった。2. 体重推移及び摂餌量には, ranitidineの影響は認められなかったが, ranitidine投与群の雄で摂水量の増加する傾向が認められた。3. 臓器重量に関して, 雄の800 mg/kg群で肝の相対重量の増加が認められた。4. 性周期, 交尾率及び妊娠率に関して, 雌雄ともにranitidine投与による影響は認められなかった。5. ranitidine投与による着床阻害作用, 胚致死作用, 胎仔発育抑制作用及び催奇形性作用は認められなかった。以上の結果より, 800 mg/kg/day投与で雄ラットに肝の相対重量の増加が認められたが, ranitidineは雌雄ラットの生殖能, 胎仔の発生及び発育に対して何ら悪影響を及ぼさないことが確認された。
日本トキシコロジー学会の論文
1983-01-25