Ranitidine hydrochlorideのラットにおける妊娠前及び妊娠初期静脈内投与試験
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概要
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Ranitidineの5, 15及び40 mg/kg/dayをCrj : CD (SD)系ラットに雄では交配前60日間及び交尾成立まで, 雌では交配前14日間及び妊娠初期(妊娠7日目)まで静脈内投与し, 雌雄ラットの生殖機能及び胎仔に及ぼす影響について検索し, 以下の知見が得られた。1.40 mg/kg群の雌雄で, 投与直後に腹臥状態, 振せん及び呼吸促迫が一過性に起ったが, 直ちに回復し, その後に異常はみられず, 死亡例もみられなかった。2. 体重推移, 摂餌量及び摂水量に関して雌雄ともにranitidine投与による影響は認められなかった。3. 臓器重量に関して, 脾重量の低下が, 雄の15 mg/kg群の絶対重量に, 40 mg/kg群の絶対及び相対重量に認められた。4. 性周期, 交尾率及び妊娠率において, 雌雄ともにranitidine投与による影響は認められなかった。5. Ranitidine投与による着床阻害作用, 胚致死作用及び胎仔発育抑制作用は認められなかった。6. 胎仔の外表異常として未熟仔が40 mg/kg群で19例2母動物に集中して観察されたが, その出現頻度に ranitidine投与群と対照群との間に差はみられず, 胎仔の骨格及び内部臓器検査においてもranitidine投与による催奇形作用は認められなかった。以上の結果より, 40 mg/kg以下の投与では雌雄ラットの生殖能力に対して何ら悪影響を及ぼさず, 着床阻害作用, 胚致死作用, 胎仔発育抑制作用及び催奇形作用を持たないことが確認された。従って本試験におけるranitidineの雌雄ラットの生殖能力及び胚・胎仔の発育に対する無影響量は40 mg/kg/dayであると考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1984-06-15
著者
-
新保 幸太郎
株式会社化合物安全性研究所
-
竹内 雅也
株式会社化合物安全性研究所
-
田辺 恒義
東日本学園大学薬学部薬理学教室
-
釜田 悟
株式会社 化合物安全性研究所
-
岩田 美恵子
株式会社化合物安全性研究所
-
田辺 恒義
北海道大学:東日本学園大学
-
釜田 悟
株式会社化合物安全性研究所
-
坂上 正子
株式会社化合物安全性研究所
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