Suplatast tosilate (IPD-1151T)の単回投与毒性試験
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概要
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IPD-1151Tのマウス, ラットおよびイヌにおける単回投与毒性を検討し, 以下の結果を得た。1. IPD-1151TのLD_<50>値は, マウスの経口投与が雌雄とも手技的最大用量である12500mg/kg以上, 静脈内投与が雄81mg/kg, 雌96mg/kg, ラットの経口投与が雌雄とも手技的最大用量である10000mg/kg以上, 静脈内投与が雄96mg/kg, 雌93mg/kg, イヌ経口投与が雄2124mg/kg, 雌2660mg/kgであり, いずれの動物種においても性差は明らかでなかった。経口投与ではLD_<50>値に種差がみられ, イヌではマウス, ラットに比べ, 低値を示した。2.主な中毒症状として, マウスおよびラットの経口投与では特異臭を有する粘液便あるいは下痢便がみられ, ラットではそれによる肛門周囲の汚染がみられた。また静脈内投与では呼吸困難, 間代性痙攣, 横臥姿勢などがみられ, 死亡はマウスで投与後10分以内, ラットでは投与後30分以内に発現した。イヌ経口投与ではゲッ歯類と同様の下痢便, 呼吸困難, 起立困難および間代性痙攣がみられ, 死亡は投与後約3時間以内に発現した。3. 病理学的検査において, 死亡した経口投与のマウスでは肺の欝血と肝の退色が, イヌでは心の内・外膜下あるいは心筋内出血が軽度にみられた。静脈内投与の死亡例ではマウスおよびラットとも肺の出血と欝血が軽度にみられたのみであった。生存例ではマウス, ラットおよびイヌのいずれにも特記すべき変化はみられなかった。4. 主な死亡原因はマウス, ラットおよびイヌのいずれも呼吸困難がその一因と考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1992-05-11
著者
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
入村 兼司
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
矢田 英昭
大鵬薬品工業株式会社 安全性研究所
-
山下 和正
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
入村 兼司
大鵬薬品工業
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
山下 和正
大鵬薬品工業
-
森永 秀信
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
森永 秀信
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
-
桑田 雅彦
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
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