Suplatast tosilate (IPD-1151T)のラット経口投与による13週間反復投与毒性試験および5週間回復試験
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概要
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ラットにIPD-1151Tを200, 600, 1800および5400mg/kg/dayの投与量で13週間経口投与し, その反復投与毒性ならびに回復性を検討し, 以下の知見を得た。1. 一般症状の観察では1800mg/kg/day群の雌雄各群で流涎が散発的に観察された。5400mg/kg/day群の雌雄各群では流涎がほぼ全例に観察され, 軟便もみられた。また, 死亡直前には失調性歩行, 触刺激に対する過敏および四肢の痙攣等の多様な症状を示し全例途中死亡した。2. 体重の推移では5400mg/kg/dayの雌雄各群で投与初期から増加抑制を示した。3. 摂餌量の推移では5400mg/kg/dayの雌雄各群で投薬開始後3週頃から減少し, 摂水量の推移では投与開始から3週頃まで増加した。しかし, 死亡直前にはいずれも著しく減少した。4. 糞潜血査では1800mg/kg/day群の雌雄で陽性化傾向がみられた。5. 血液学的検査では1800mg/kg/dayの雌雄で赤血球系の軽度な減少がみられた。5400mg/kg/day群の雌雄では赤血球系を中心とする血液濃縮像, 一部にはWBCおよびLymの減少, リンパ球百分率の減少がみられた。6. 血液生化学的検査では雄の600mg/kg/day以上の各群でT. ChoおよびF. Choの増加, 1800mg/kg/day群でChE活性の上昇, TGおよびEST/Tの減少がみられた。途中死亡例の5400mg/kg/day雌雄各群ではLDH活性の上昇, また約半数にGOT活性の上昇, Urea Nの増加もみられた。7. 病理学的検査では1800mg/kg/day群の雌で下垂体, 脳, 胸腺, 心, 肺および腎重量の増加が認められたが, 病理組織学的には著変は認められなかった。5400mg/kg/dayの雌雄各群では胸腺および脾の萎縮, ほぼ全例に消化管の拡張がみられ, 病理組織学的には中枢神経系の神経細胞の壊死, 壊死病巣, リンパ系器宮のリンパ球壊死および骨髄細胞の減少がみられた。8. 回復試験では1800mg/kg/day以下の雌雄各群でみられた変化は回復を示し可逆性の変化であることが示唆された。9. 無影響量は雄200mg/kg/day, 雌600mg/kg/day, 確実中毒量は雌雄とも1800〜5400mg/kg/dayと推定された。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1992-05-11
著者
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
入村 兼司
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 研究開発本部 安全性研究所
-
森田 健一
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
林 泰司
大鵬薬品工業
-
入村 兼司
大鵬薬品工業
-
中野 茂樹
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全研究所
-
林 泰治
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
中川 和年
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社 製薬センター 安全性研究所
-
丸伝 章
大鵬薬品工業株式会社
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