Suplatast tosilate (IPD-1151T)のイヌ経口投与による13週間反復投与毒性試験および5週間回復試験

概要

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IPD-1151Tの50, 150, 450および1350mg/kg/dayをイヌに13週間経口投与し, 以下の結果を得た。1. 一般状態観察において, 450mg/kg/day以上の雌雄に用量反応的な特異臭を有する軟便, 下痢便がみられた。1350mg/kg/dayでは首を垂れた四肢のふらつき, 異常歩行, 起立困難, 横臥, 腹臥, 鎮静, 振戦などがみられ, 雌雄各1例が呼吸抑制, 虚脱およびチアノーゼを呈して死亡した。 2. 体重, 摂餌量, 摂水量, 眼科学的検査, 心電図検査, 血液学的検査, 血液生化学的検査, 尿検査, 糞便検査, 臓器重量および相対重量において特記すべき変化はみられなかった。3. 病理組織学的検査では, 死亡例に心の出血性変化および肝細胞の空胞変性がみられた。生存例では, IPD-1151T投与に起因した変化はみられなかった。4. 電顕観察において, 肝および腎皮質に特記すべき超微形態学的変化はみられなかった。5. 休薬後, 上記諸症状はすみやかに消失した。6. 本試験における無影響量は雌雄とも150mg/kg/day, 確実中毒量は雌雄とも1350mg/kg/dayであり, 性差はみられなかった。
日本トキシコロジー学会の論文
1992-05-11